初心者のためのGitHub入門:プログラミングの学習ログを残そう

GitHub はむずかしい開発者だけの道具ではなく、学習ノートを履歴つきで安全に残せる場所です。
今日からブラウザだけで、あなたのPython学習を“続く形”にできます。
このガイドでは、GitHubが何者かを初心者向けにかみ砕いて説明し、学習ログ用の棚(リポジトリ)を作って最初の1行を残すところまで一緒に進みます。
ゴールは単純です。
「今日やったことを一行残す → 明日も同じ場所を開く」この循環ができれば、あなたの学びは止まりません。

GitHubとは何か|概要とGitとの違い

GitHub(ギットハブ)とは、作成したプログラムやメモをネット上に保存し、必要に応じて他の人とも安全に共有できるWebサービスです。
クラウド上のフォルダに見えますが、普通の保存と違って「いつ」「どこを」「どう変えたか」という履歴が自動で積み重なり、過去の状態に戻したり、変更点を見比べたりできます。
アカウント作成は無料で、公開(Public)/非公開(Private)を切り替えられ、ブラウザだけで編集・管理が始められます。
また、GitとGitHubの違いはここで押さえておきましょう。
Git は履歴を管理する技術(ソフトウェア)そのもの、GitHubはそのGitの仕組みをインターネット上で使いやすく提供するサービスです。
あなたは難しいコマンドを覚えなくても、Web画面からファイルを作成・更新し、履歴(コミット)を残せます。
GitHubを使うと、学習でも開発でも次のようなことができます。
- 学習ログの蓄積:日々の学びを記録すると、プロフィールのカレンダーにマークが増えて継続が見える化されます。
- 安全なバージョン管理:間違えたら過去に戻れるので、試行錯誤が怖くありません。
- 共同編集とレビュー:自分用の作業レーン(ブランチ)で直し、プルリクエストで変更内容を提案・相談できます。
- タスク管理:やることはIssueに書き出し、状態を残せます。質問メモやバグメモもここに集約。
- ドキュメント整理:READMEやWikiに手順・考え方をまとめ、後から見返しやすく保管。
- 公開ページの配信:GitHub Pagesを使えば、学習ノートや成果物をそのままWebページとして公開可能。
初心者にとって最も大きな価値は、“消えないノート” と “やり直せる安心感” です。
今日の1行メモも、1か月後の小さなアプリも、同じ場所で育てられます。
まずは「学習用の棚(リポジトリ)を作り、1行の記録を保存する」ことから始めましょう。
Githubの使い方|アカウントとリポジストリの作成
実際にGithubのアカウントを作成し、学習用のリポジストリを作成していきましょう。
無料アカウントの作り方
ここでは、ブラウザだけでGitHubを始めるための最短ルートを紹介します。
登録は無料で、途中の専門用語は覚えなくても進められます。まずは「自分のノート棚を作れる状態」になることが目的です。
- GitHub公式サイトを開き、新規登録を選ぶ
- メールアドレスを入力し、画面の案内に従って確認コードを入力
- ユーザー名(後から人に見える名前)とパスワードを設定
- いくつかの質問に答え、登録を完了
- ログイン後、右上のプロフィールから設定画面を開き、通知メールなどの基本設定を確認
ユーザー名は本名である必要はありません。覚えやすく、学習ログに使っても恥ずかしくない名前がおすすめです。
また、登録直後はリポジトリ(ノート棚)をPublic(公開)にするかPrivate(非公開)にするかを選ぶ場面が出てきますが、後から変更できるので気軽に進めて大丈夫です。
- 初心者はPrivateから始めてもOK
- 2段階認証は余裕があれば有効化(後回しでも可)
- 通知メールは最初は多めに来ることがあるので、受信設定を軽く調整しておくと快適です
次の章では、いよいよ学習ログ用の 棚(リポジトリ)を作り、最初の1行を保存するところまで進みます。

学習ログ用のリポジトリの作り方
まずは、学習記録を置く入れ物を用意します。
GitHubではこれを リポジトリ と呼びますが、いまは「自分専用のノート棚」と考えてください。
ここを1つ作るだけで、以後の学習ログが迷子にならず、見返しやすくなります。
- 画面右上の + を押して New repository を選ぶ
- Repository name に 棚の名前
を
と入力(「learning-log」等、好きな名前でOK) - 公開範囲を Public または Private から選ぶ
- Add a README file にチェックを入れる(最初のノート用の紙を入れるイメージ)
- そのまま Create repository をクリックして作成完了
作れたら、タイトルと説明が並ぶトップページが表示されます。
README.md というファイルが見えていれば成功です。ここが最初の学習ノートになります。
名前はあとから変更できますし、公開・非公開も切り替え可能なので、深く悩まず進めて問題ありません。
次の章では、このREADMEに今日の学びを1行書いて保存(コミット)するところまで進みます。
最初のリポジストリの書き方
ここでは、学習ログの最初のページを作ります。
本サイトの「【完全無料】Python初心者向け完全ガイド」を使って学習を進めると想定し、各レッスンの練習問題の解答コードを保存していける準備をしましょう。
すべてブラウザだけで完了します。
- リポジトリトップの README.md を開き、右上の ✏️ Edit をクリック
- 次のテンプレートを貼り付け、あなたの言葉とURLに置き換えてから Commit changes で保存
# Python 学習ログ これから Pythonの学習を始めます。教材は Python関連学習館 を使用します。 公式URL:https://programming-mondai.com/ ## 学習方針 - Lesson1-1 から順に進め、各記事の練習問題の解答ファイルをこのリポジトリに保存します。 - 1日最低1行のログを残します(できたこと/気づき/明日やること)。 ## 今日の記録(初日) - リポジトリ作成と初期設定を完了。学習サイトをブックマーク。
続いて解答を置く場所を用意しましょう。
リポジトリ画面で Add file → Create new file を選び、ファイル名にlessons/lesson1-1.py
と入力し、何も書き込まずに保存します。
実際にLesson1-1の記事の練習問題を解いたに、再びこれを開いてコードを書き込みましょう。
また、同じ場所に学習メモ用のファイルも作っておくと振り返りが楽です。
Add file → Create new file でlessons/lesson1-1.md
を作成し、以下の内容を貼って保存します。
# Lesson 1 メモ - できたこと: - つまずき: - 用語メモ: - 次にやること:
こちらも、Lesson1-1完了後に書き込みましょう。
以後は Lesson1-2 以降も同じ形で増やしていきます(例:lessons/lesson2-2.py
)。READMEの「今日の記録」に1行だけ更新を続ければOKです。
補足:教材の問題文そのもは当サイトの著作物ですので転載はしなでください。作成したコードと自分の言葉で要点や方針を残しましょう。

Githubの用語を生活用語に置き換えて理解しよう
専門用語がズラッと並ぶと、それだけで手が止まります。
ここでは、今すぐ覚える必要がある言葉だけを「生活用語」に置き換えてイメージをつかみましょう。
正確な定義は後でOK。まずは “意味が伝わること” を優先します。
正式な用語 | いまはこう理解すればOK |
---|---|
リポジトリ(Repository) | 学習ノートの棚 |
README.md | 棚の表紙ノート |
コミット(Commit) | ノートの保存 |
プッシュ(Push) | 保存内容をWeb上の棚に反映 |
ブランチ(Branch) | 失敗しても安心な下書き用ノート |
プルリクエスト(PR) | 下書きを採用してもらうお願い(今は不要) |
Issue | 「やること」や「疑問」を書く付せん |
.gitignore | 載せたくない物のリスト(鍵や大きいファイルなど) |
この置き換えだけで、画面のボタンやメニューが一気に読みやすくなります。
たとえば「Commit changes」は“変更を保存”、「Create new file」は“新しいノートを作る”という具合です。
まずはここまでを自然に使えるようになれば十分。
次の章では、公開・非公開や安全な書き方について、初心者が迷いやすいポイントをやさしく整理します。
リポジストリは公開しないといけないのか
最初に迷うのが「公開して大丈夫?」という不安です。
結論は、不安ならPrivate(非公開)で始めてOK。慣れてきたら、見せたいノートだけ公開すれば十分です。
ここでは、最初に知っておくと安心なポイントを整理します。
- 公開/非公開は後から切り替え可能:リポジトリの設定から変更できます。
- 書かないほうがいいもの:テストや有料教材の“問題文の丸写し”、学校や会社の機密、個人情報。
- 絶対にコミットしないもの:APIキー、パスワード、秘密トークン。これらは環境変数(
.env
)に分けて保存します。 - 履歴は残る:うっかり公開した情報は、消しても履歴に残る場合があります。迷ったら載せない判断を。
まとめ:あなたのPython学習を“続く形”にしよう
ここまでで、GitHubが「履歴つきの学習ノート棚」であり、ブラウザだけで今日から使えることが分かりました。
これから学習を進めるにあたり、学びの証跡をGitHubに残すだけで、理解の定着・振り返り・成長の可視化が一気にラクになります。
失敗しても過去に戻れる安心感があるので、思い切って手を動かしましょう。
まずは小さく始めて、毎日“1行”を積み重ねてください。
さあ準備は完了です。あなたの学習ログに、まずは今日の1行を残してみてください。明日も同じ場所を開けば、学びは止まりません。
