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【2025年版】PythonでChatGPT APIを使う方法入門|環境構築からサンプルコード・料金の基本まで解説

ながみえ
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Pythonの基礎文法を一通り学んだあなたへ。

次のステップとして「ChatGPT API」を使って、自分のプログラムからAIを動かしてみませんか?

2023年から一気に広まったChatGPTは、今や多くのビジネスや開発の現場で活用されています。

ですが、ほとんどの人は「ブラウザ上でChatGPTを使うだけ」で終わっています。

Pythonを少しでも扱えるようになった今こそ、「自分のコードからChatGPTを呼び出す」経験をしてみるチャンスです。

ChatGPT APIを使えば、たとえばこんなことが可能です。

  • Pythonスクリプトに「自然な会話」を組み込む
  • 日報やレポートを自動で生成する
  • ExcelやCSVの内容を要約・整理する
  • LINEやSlackでAIチャットボットを作る
  • Webスクレイピング結果をAIに分析させる

つまり、「ChatGPTを使う人」から「ChatGPTを使うプログラムを書く人」へ進化できるわけです。

本記事では、環境構築からAPIキーの設定、最初のサンプルコード、料金、よくあるエラー対策までをステップごとに解説します。

対象は、

  • Pythonの基本文法(print, for, if, 関数など)を理解している
  • ChatGPTを触ったことはあるけれどAPIは初めて

という方です。

さっそく、第1章では「そもそもChatGPT APIとは何か?」を整理していきましょう。

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もくじ

ChatGPT APIとは?ブラウザ版との違い

ChatGPT APIとは、ChatGPTの「頭脳部分」を自分のプログラムから直接使える仕組みのことです。

ブラウザ版のChatGPTを人間が操作する代わりに、PythonプログラムがChatGPTに質問を送り、返答を受け取ります。

「API」という言葉に難しそうな印象を持つかもしれませんが、実はとてもシンプルです。

ChatGPT APIの仕組みをざっくり理解する

ChatGPT APIを使うとき、Pythonで行う処理は以下の流れになります。

  1. ChatGPT APIに「リクエスト(質問)」を送る
  2. ChatGPTがその内容を理解して「レスポンス(回答)」を返す
  3. Pythonがその回答を受け取って、出力する(または保存・加工する)

つまり、「あなたの代わりにPythonがChatGPTと会話する」構造です。

人間がブラウザ上で入力していることを、Pythonのコードで行うイメージですね。

たとえば、次のようなやりとりができます。

処理内容
Pythonが送る質問「Pythonでリストをソートするには?」
ChatGPTの返答sorted()関数を使うと並び替えができます。」

この一往復のやり取りをプログラムで自動化できるのが「ChatGPT API」です。

リクエストの内容や形式を細かく設定できるため、「温度(回答の自由度)」や「文字数制限」などを調整することも可能です。

ChatGPTをPythonから使うメリット

「ブラウザのChatGPTがあれば十分じゃない?」

――多くの初心者が最初に抱く疑問です。
しかし、PythonからChatGPTを使うことで次のような大きなメリットがあります。

1. 作業の自動化ができる

ChatGPT APIを使うと、文章生成や要約などの作業をPythonスクリプトの一部として自動化できます。

たとえば「フォルダ内のテキストファイルを読み込んで、ChatGPTに要約させる」といったことも可能です。

2. 大量のデータを処理できる

ブラウザ版ChatGPTは1回ずつ手で入力しますが、APIならループ処理を使って何百件ものデータを順番に処理できます。

たとえば100件のメール文面を一括で分類する、ということもPythonなら数行で実現可能です。

3. 自分のアプリやシステムに組み込める

Pythonで作ったプログラムにChatGPTを組み込めば、自作アプリや業務ツールをAI対応にできます。

チャットボット、報告書生成ツール、質問応答システムなど、応用の幅は非常に広いです。


ChatGPT APIは、ChatGPTの頭脳をあなたのPythonコードに「接続」するための入り口です。

次の章では、そのAPIを使うために必要な「料金」と「無料枠」について、2025年時点の最新情報を整理していきましょう。

ノートパソコンで勉強するフーディー姿の若い男性。デスクにはノート、ペン、コーヒーカップ、スマートフォン、古いタイプライターが置かれ、背景には本棚や観葉植物、ソファが見える。

料金と無料枠の現状をざっくり解説【2025年時点】

ChatGPT APIを使うときに最初に気になるのが「料金」です。

「無料で使えるの?」「どれくらいかかるの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。

実は、OpenAIのAPIは従量課金制であり、使った分だけ料金が発生します。

ただし、「試すだけ」なら数十円以内で十分楽しめる仕組みになっています。

この章では、2025年現在の料金体系と無料枠の考え方を整理しておきましょう。

ChatGPT APIの料金体系の基本

ChatGPT APIの料金は「文字数」ではなく、トークン(token)という単位で計算されます。

トークンはざっくり言えば「単語のかけら」のようなもので、英語なら1単語=約1トークン、日本語なら1文字あたり2〜3トークン程度が目安です。

1トークンの値段はモデルごとに異なり、2025年11月現在の主な料金は次の通りです(出典:OpenAI公式サイト)。

モデル名入力トークン単価(1,000トークンあたり)出力トークン単価(1,000トークンあたり)概要
gpt-4o約 $0.005(約0.75円)約 $0.015(約2.25円)高性能・高速なGPT-4世代(主力モデル)
gpt-4o-mini約 $0.0006(約0.09円)約 $0.0024(約0.36円)軽量で格安、初心者に最適
gpt-3.5-turbo約 $0.0005(約0.075円)約 $0.0015(約0.23円)旧世代・安価モデル(非推奨傾向)

※為替は1ドル=150円で計算
※1,000トークン ≒ 日本語約400〜600文字程度

たとえば、gpt-4o-miniで短文の質問を1回投げた場合、1回あたりの料金は0.1円未満です。

つまり、試しに何十回使っても数円〜十数円程度のコストしかかかりません。

無料枠はあるのか?

2023年ごろまでは、API利用登録時に「無料クレジット(例:$5)」が付与されていましたが、現在は新規登録時の無料クレジットは基本的に廃止されています。

ただし、無料でChatGPT(ブラウザ版)を試すことはできます。

また、少額課金($1〜$5)を行えばAPIもすぐに使えるため、実質的には初期費用ゼロに近い形で学習を始められます。

どのモデルを使えばいいのか?

初心者が学習目的でAPIを使う場合、最もおすすめなのは以下のモデルです。

モデル特徴向いている用途
gpt-4o-mini安くて高速、会話・要約・生成など万能学習・小規模ツール開発
gpt-4o精度重視、より自然な出力本格的なアプリ・長文処理
gpt-3.5-turbo旧モデル、やや不安定過去の環境との互換が必要な場合のみ

ほとんどのケースでは、gpt-4o-miniで十分です。

コストを気にせず試せるうえ、動作が軽く、回答精度も高いため学習に最適です。

1回の実行でどのくらいの料金がかかるか?

ここで、実際のイメージを持っておきましょう。

処理内容トークン数(目安)使用モデル概算料金(1回)
「こんにちは」と送るだけ約20トークンgpt-4o-mini約0.002円
500文字の文章を要約する約800トークンgpt-4o-mini約0.1円
長文チャット(3往復)約3,000トークンgpt-4o約9円前後

このように、数十回の実行でもコーヒー1杯にも満たないコストで済みます。

そのため、「使いすぎて請求が止まらない」という心配はまず不要です。

むしろ注意すべきは、「APIキーを他人に使われて課金される」リスクでしょう(これについては後章で詳しく説明します)。

支払いと請求の仕組み

APIの支払いはクレジットカードによる後払い制です。

OpenAIのダッシュボードで使用量が自動的に計算され、月ごとに請求されます。

利用料金は「Usage(使用量)」タブでリアルタイムに確認できるので、「どれくらい使っているか」を常に可視化しておくと安心です↓↓

👉 https://platform.openai.com/usage

ここでは、日別・モデル別の使用量をグラフで確認できます。

もし思ったより多く使っていたら、モデルを「gpt-4o-mini」に変更するだけでもコストを大幅に抑えられます。

料金を気にせず学ぶためのポイント

初心者がAPI学習を続けるうえで、コストを最小限に抑えるコツを紹介します。

  1. gpt-4o-miniを使う(最重要)
  2. 1回のプロンプトを短く保つ
  3. 開発中はprint()で出力内容を確認し、必要な部分だけ取得する
  4. 無駄なループ呼び出しを避ける
  5. .envでAPIキーを安全に管理(流出防止=無駄な課金防止)

これらを意識するだけで、月に数十円〜数百円の範囲で快適に学習できます。

まとめ:料金は「安くて柔軟」、無料枠がなくても怖くない

  • ChatGPT APIは従量課金制。使った分だけ支払い。
  • 無料枠は廃止されたが、少額課金で実質的に安価に始められる。
  • gpt-4o-miniを使えば、1回あたり0.1円以下。
  • 「Usage」ページでリアルタイムに利用状況を確認できる。

料金面を理解したところで、次章では実際にAPIを使うための準備(アカウント登録とAPIキー取得)を進めていきましょう。

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事前準備|OpenAIアカウント作成とAPIキーの取得

ChatGPT APIを使うためには、OpenAIのアカウントAPIキー が必要です。

ブラウザ版ChatGPTを使ったことがあっても、APIキーを取得しない限り、Pythonからはアクセスできません。

ここでは、実際にAPIを動かす前の「登録・設定ステップ」を順番に解説します。

数分で終わるので、落ち着いて進めていきましょう。

STEP 1:OpenAIの公式サイトにアクセスする

まず、OpenAIの開発者向けポータルにアクセスします。

👉 https://platform.openai.com/

右上に「Sign up(新規登録)」または「Log in(ログイン)」ボタンがあります。

初めて利用する場合は「Sign up」を選択しましょう。

STEP 2:アカウントを作成する

登録方法は3種類あります。どれを選んでも問題ありません。

  • Googleアカウントで登録
  • Microsoftアカウントで登録
  • メールアドレスで登録

登録後、メールアドレス認証のリンクが届くので、クリックして認証を完了させます。

※ もしChatGPT(chat.openai.com)で既にアカウントを持っている場合は、同じアカウントでログイン可能です。

STEP 3:支払い情報を設定する

APIは従量課金制のため、クレジットカード情報を登録しておく必要があります。

OpenAIのダッシュボードから次の手順で設定します。

  1. ログイン後、右上のプロフィールアイコンをクリック
  2. 「Manage account」→「Billing」を選択
  3. 「Add payment method」ボタンをクリックし、クレジットカード情報を入力

カードは VISA / MasterCard / AMEX が利用可能です(デビットカードも一部可)。少額課金($1〜$5)で問題なく使えます。

請求は後払いで、利用分が月ごとに自動決済されます。

STEP 4:APIキーを発行する

支払い設定が終わったら、次にAPIキーを作成します。

このキーが「ChatGPT APIへのパスワード」のような役割を果たします。

  1. OpenAIのダッシュボードで以下のURLを開きます。
    👉 https://platform.openai.com/api-keys
  2. 「Create new secret key(新しいシークレットキーを作成)」をクリック
  3. 任意の名前を入力して「Create secret key」ボタンを押す
  4. 画面にAPIキー(例:sk-xxxxxxxxx...)が表示されるので、必ずメモして保存

このAPIキーは一度しか表示されません。
閉じてしまうと再表示できないため、すぐにメモ帳や.envファイルなどに保存しておきましょう。

STEP 5:APIキーを安全に管理する(.envファイルの作成)

初心者の方がよくやってしまうミスが、「Pythonコード内にAPIキーを直接書く」ことです。

これは非常に危険です。

GitHubなどに公開してしまうと、他人に不正利用されてしまい、高額請求につながる恐れがあります。

そのため、APIキーは「.env」ファイルに保存し、コードからは環境変数として読み込むのが基本です。

例:.envファイルの中身

OPENAI_API_KEY=sk-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

このファイルは、プロジェクトフォルダの直下(main.pyと同じ階層)に置きます。

.envファイルをGitに含めない設定(超重要)

もしGitHubなどにコードをアップする場合は、.gitignoreファイルに以下の1行を必ず追加してください。

.env

これで、APIキーが誤って公開されるのを防げます。

STEP 6:APIキーをPythonで読み込む準備

APIキーを.envに保存しただけでは、Pythonは自動で読み取れません。

これを読み込むために、Pythonのライブラリ「python-dotenv」をインストールします。

次章の環境構築で詳しく扱いますが、ここではインストールだけ先に紹介しておきます。

pip install python-dotenv

このライブラリを使うと、以下のように.envから環境変数を安全に読み込めます。

from dotenv import load_dotenv
import os

load_dotenv()
api_key = os.getenv("OPENAI_API_KEY")
print(api_key)  # 正しく読み込めていればAPIキーが表示される

これで準備完了です。

次の章では、実際にPython側の環境を整え、ChatGPT APIを呼び出すための基礎設定を行います。

まとめ:APIキーはあなたの「鍵」

  • OpenAIのアカウント登録 → 支払い設定 → APIキー発行の3ステップ
  • APIキーは1回しか表示されないので必ずコピーして保管
  • .envで安全に管理し、GitHubにはアップしない
  • python-dotenvでPythonから環境変数を読み込む

これで、ChatGPT APIを扱う準備が整いました。

次はいよいよ、Pythonの環境構築とサンプルコード実行に進みます。

Python側の環境構築|VSCode + 仮想環境 + OpenAI公式クライアント

APIキーを取得したら、次はいよいよPython側の準備です。

ChatGPT APIを使うには、ライブラリのインストールや設定ファイルの準備など、いくつかのステップが必要です。

ただし、一度環境を整えてしまえば、あとはシンプルにコードを書くことができます。

この章では、VSCodeで快適に開発するための最小構成を丁寧に解説していきます。

なお、独学での限界を感じる人は、 経済産業省のお墨付きのあるDMM 生成AI CAMP で学習するという選択肢もあります。

STEP 1. Pythonのバージョンを確認しよう

まずはPythonが正しくインストールされているか確認します。

Windowsのコマンドプロンプト(またはPowerShell)で次のコマンドを入力してください。

python --version

バージョンが 3.8以上 であれば問題ありません。

もしインストールされていない場合は、Pythonの開発環境構築方法の紹介記事 を参考にしてください。

STEP 2. 作業用フォルダを作成する

次に、ChatGPT API用の作業フォルダを作ります。

フォルダ名は何でも構いませんが、ここでは例として以下のようにします。

C:\Users\ユーザー名\Documents\chatgpt_api_test

フォルダを作成したら、VSCodeを開いて「ファイル → フォルダを開く」でこのフォルダを指定しましょう。

STEP 3. 仮想環境(venv)を作成する

Pythonの仮想環境とは、プロジェクトごとに独立したライブラリを管理する仕組みです。

ライブラリの競合を防ぐために、必ず仮想環境を使いましょう。

以下のコマンドをVSCodeのターミナルで実行します。

python -m venv venv

これで、作業フォルダ内に venv という仮想環境フォルダが作成されます。

仮想環境を有効化する(Windowsの場合)

venv\Scripts\activate

実行後、ターミナルの先頭に (venv) と表示されていれば成功です。

STEP 4. 必要なライブラリをインストールする

ChatGPT APIを使うには、以下の2つのライブラリを導入します。

  • openai:ChatGPT APIを操作するための公式クライアント
  • python-dotenv:.envファイルからAPIキーを読み込むためのライブラリ

インストールコマンド:

pip install openai python-dotenv

数十秒で完了します。

STEP 5. .env ファイルを作成してAPIキーを保存

次に、OpenAIのAPIキーを.envファイルに書き込みます。

.envファイルは作業フォルダの直下に作りましょう。

OPENAI_API_KEY=sk-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

(※ APIキーは前章で取得したものを貼り付けてください)

STEP 6. Pythonスクリプトを作成して動作確認

ここまでの設定が正しくできているかを、簡単なテストスクリプトで確認します。

from dotenv import load_dotenv
import os

load_dotenv()
api_key = os.getenv("OPENAI_API_KEY")

if api_key:
    print("✅ APIキーの読み込みに成功しました!")
else:
    print("❌ APIキーが読み込めていません。設定を確認してください。")

このコードを実行し、出力が次のようになれば成功です。

✅ APIキーの読み込みに成功しました!

もし「❌」と表示される場合は、

  • .env ファイルがスクリプトと同じフォルダにあるか
  • .env の書式が正しいか(全角スペースなどに注意)

を確認してください。

STEP 7. OpenAIクライアントの初期設定を確認

ChatGPT APIを呼び出すには、OpenAIのクライアントオブジェクトを生成します。

以下のコードを実行して、接続設定が正しいか確認しておきましょう。

from openai import OpenAI
from dotenv import load_dotenv
import os

load_dotenv()
client = OpenAI(api_key=os.getenv("OPENAI_API_KEY"))

print("✅ OpenAIクライアントの初期化が完了しました!")

これも問題なく動作すれば、Python環境の準備は完璧です。

まとめ:これでAPIを動かす準備が整った!

ここまでで、以下の環境が整いました。

✅ Python 3.8以上
✅ VSCodeで開発フォルダ作成
✅ 仮想環境(venv)の設定
✅ openai / python-dotenv のインストール
✅ .env にAPIキーを保存
✅ 接続テスト成功

これで、ChatGPT APIをPythonから呼び出す準備がすべて完了です。

次の章では、実際にChatGPT APIを叩いてみましょう。あなたのPythonコードが、AIと会話する瞬間です。

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最小のサンプルコード|PythonでChatGPT APIを1回叩いてみる

ここまで環境構築が終わったら、いよいよChatGPT APIを「実行」してみましょう。

まずは最小限のサンプルコードを動かして、PythonからChatGPTに質問し、回答を得るところまで確認します。

ChatGPT APIを呼び出す基本コード

以下が、ChatGPT APIをPythonから呼び出すための最小サンプルです。

すぐに試せるよう、コピーして main.py という名前で保存してください。

from openai import OpenAI
from dotenv import load_dotenv
import os

# .envからAPIキーを読み込む
load_dotenv()
client = OpenAI(api_key=os.getenv("OPENAI_API_KEY"))

# ChatGPT APIにリクエストを送る
response = client.chat.completions.create(
    model="gpt-4o-mini",  # 軽量・格安モデル(初心者向け)
    messages=[
        {"role": "system", "content": "あなたは親切なPython講師です。"},
        {"role": "user", "content": "こんにちは、自己紹介をしてください。"}
    ]
)

# ChatGPTの回答を出力
print(response.choices[0].message.content)

このコードを実行し、以下のように出力されれば成功です。

こんにちは!私はChatGPTです。Pythonを使ったプログラミングやAIの活用についてサポートできます。何を学びたいですか?

あなたのPythonコードが、ChatGPT APIを通じてAIと会話できました。

基本コードの解説

初めてAPIを使うときは「どの部分が何をしているのか」を理解するのが大切です。

上のコードを分解して見ていきましょう。

from openai import OpenAI

OpenAIの公式クライアントをインポートします。
この OpenAI クラスを使うことで、ChatGPTや画像生成などのAPIを簡単に扱えます。

load_dotenv()os.getenv()

前の章で作成した .env ファイルからAPIキーを読み込みます。
os.getenv("OPENAI_API_KEY") は、環境変数からキーを取得する処理です。

client = OpenAI(api_key=...)

APIに接続するためのクライアントオブジェクトを作成します。
この client を通して、ChatGPT APIを呼び出します。

client.chat.completions.create(...)

ChatGPT(会話型AI)のAPIを呼び出すメイン部分です。
model には使うAIモデルを指定し、messages で「どんな会話をするか」を送信します。

print(response.choices[0].message.content)

ChatGPTから返ってきたテキストを出力します。
response の中にはさまざまな情報(トークン数、モデル名など)も含まれていますが、通常はこの1行で十分です。

“messages” の構造を理解しよう

ChatGPT APIは、「会話履歴」を messages というリスト形式で送信します。

それぞれのメッセージには3つの役割があります。

role説明
systemAIに対する基本方針・人格設定「あなたはPython講師です」
userユーザーの入力「if文の使い方を教えて」
assistantChatGPTの回答(プログラムが受け取る側)ChatGPTの応答

上のサンプルコードでは、以下のような流れになっています。

  1. system → ChatGPTの立場を指定
  2. user → あなたの質問を送信
  3. assistant → ChatGPTの回答が返る

この構造を理解しておくと、のちほど複数回の会話やループ処理を行うときに役立ちます。

モデルの変更方法

先ほどのコードの中で指定している

model="gpt-4o-mini"

の部分を、次のように変更すると、より高精度な応答を得られます。

model="gpt-4o"

ただし、料金が少し上がるので、最初はgpt-4o-miniのままでOKです。

性能面でも十分自然な応答が得られます。

よくあるエラーと確認ポイント

openai.error.AuthenticationError: No API key provided

.env ファイルが正しく読み込まれていません。
OPENAI_API_KEY の綴りや、スペース・改行を確認してください。

ModuleNotFoundError: No module named 'openai'

openai ライブラリが未インストールです。
→ 仮想環境を有効化してから、次を実行しましょう:

pip install openai

openai.error.InvalidRequestError: The model 'gpt-4' does not exist

→ モデル名のタイプミスまたは古いモデルを指定しています。
→ 最新のAPI対応モデルを確認して、gpt-4o-mini を使用してください。

まとめ:PythonからChatGPTが動いたら第一歩達成!

  • ChatGPT APIを呼び出す最小コードを理解した
  • messages構造を使って会話ができるようになった
  • .envを使って安全にAPIキーを管理できた
  • 1回目の「AIをPythonで動かす」成功体験を得た

ここまでできたら、もうChatGPT APIを使える開発者の仲間入りです。

次の章では、より深く理解するためによく使うパラメータの意味とおすすめ設定を紹介します。

ChatGPT APIを「思い通りに動かす」ためのコツを学んでいきましょう。

暖かい雰囲気の部屋でノートパソコンを使ってリモートワークをする笑顔の男性。デスクの上には本やコーヒーカップ、文房具が置かれ、背景にはアコースティックギター、観葉植物、アートフレーム、本棚などが並ぶ。

Pythonで作る「簡易ChatGPTクライアント」実装例

ここまででChatGPT APIを1回だけ呼び出すことができました。

次はその応用として、Python上でChatGPTと会話を続けられるプログラムを作ってみましょう。

ターミナル上で「あなた: ○○」「ChatGPT: ○○」という形式で会話できるようにします。

特別なライブラリは不要で、これまでインストールした openaidotenv だけで実現できます。

完成コード

以下のコードを chat_client.py という名前で保存してください。

from openai import OpenAI
from dotenv import load_dotenv
import os

# .envからAPIキーを読み込む
load_dotenv()
client = OpenAI(api_key=os.getenv("OPENAI_API_KEY"))

# 会話履歴を保持するリスト
messages = [
    {"role": "system", "content": "あなたは親切で丁寧なPython講師です。"}
]

print("=== ChatGPTと会話を始めます(終了するには 'exit' と入力) ===")

# 無限ループで会話を続ける
while True:
    user_input = input("あなた: ")

    # 終了コマンド
    if user_input.lower() in ["exit", "quit", "bye"]:
        print("ChatGPT: お疲れさまでした!また練習しましょう。")
        break

    # ユーザーの入力を履歴に追加
    messages.append({"role": "user", "content": user_input})

    # ChatGPTにリクエストを送信
    response = client.chat.completions.create(
        model="gpt-4o-mini",
        temperature=0.7,
        messages=messages
    )

    # 応答を取得
    reply = response.choices[0].message.content

    # AIの返答を表示
    print(f"ChatGPT: {reply}\n")

    # 会話履歴にAIの返答を追加
    messages.append({"role": "assistant", "content": reply})

このコードを実行すると、例えば以下のように出力されます。

=== ChatGPTと会話を始めます(終了するには 'exit' と入力) ===
あなた: Pythonのif文を教えて
ChatGPT: Pythonのif文は条件によって処理を分けたいときに使います。
たとえば以下のように書きます。

if x > 0:
    print("正の数です")
else:
    print("0以下です")

あなた: for文は?
ChatGPT: for文は繰り返し処理を行う構文です。次のように使います。

for i in range(5):
    print(i)

exit と入力するとプログラムが終了します。

応用アイデア

この「簡易チャットクライアント」は基本構造として非常に汎用的です。

わずかな改良で、次のようなアプリに発展させることができます。

応用例説明
LINE BotFlaskなどを使って、LINEと接続してChatGPTと会話できるBotを構築
Excel連携openpyxlなどを使い、セル内容をChatGPTに要約させる
テキスト要約ツールファイルを読み込み、ChatGPTに要約を依頼
学習支援アプリChatGPTをPython学習のチューターとして活用

まとめ:ChatGPTを“会話するPythonアプリ”に変える

  • PythonでChatGPTとの継続的な会話ができるようになった
  • messages による履歴管理で文脈理解を実現
  • systemメッセージでAIの人格を自由に設定可能
  • ほんの数行の変更で、LINE Botや業務ツールにも応用可能

このステップで、あなたのPythonは「AIと話せるコード」になりました。

次の章では、初心者がよくつまずくエラーとその解決法を紹介します。実際に開発を進める上で、必ず役立つ内容です。

安全に使うための注意点(APIキー・料金・利用規約)

ChatGPT APIはとても便利ですが、使い方を誤るとAPIキーの流出や思わぬ課金につながるリスクがあります。

とくに個人開発や学習中は、「知らないうちに使われていた」「キーを公開してしまった」といったトラブルが起こりやすいです。

この章では、安全・安心にChatGPT APIを使うための3つの視点から注意点を整理します。

APIキーを守る(最重要)

APIキーはあなた専用の「認証パスワード」です。

このキーが漏れると、他人があなたのアカウントでAPIを使えてしまうため、請求があなたに来てしまいます。

安全な管理ルール(必ず守りましょう)

やってはいけないこと安全なやり方
APIキーをコードに直接書く.env ファイルで外部管理する
.env ファイルをGitHubにアップロード.gitignore.env を追加して除外する
SNSやブログでコードを共有するときにAPIキーを残す公開前にキーを削除・マスクする
他人にAPIキーを送る絶対に送らない(共有禁止)

APIキーを誤って公開した場合の対処法

もし「GitHubに上げてしまった」「SNSに貼ってしまった」と気づいたら、すぐに以下の手順を行いましょう。

  1. https://platform.openai.com/api-keys にアクセス
  2. 該当キーを Delete(削除)
  3. 新しいAPIキーを 再発行
  4. .env に新しいキーを上書き保存

OpenAIでは、削除したキーは即時に無効化されます。

つまり、「見つけてすぐ削除すれば被害は防げる」ということです。

料金を安全に管理する

ChatGPT APIは従量課金制(使った分だけ支払う)です。

安心して使うためには、「どれくらい使っているか」を常に把握しておくことが大切です。

使用量を確認する方法

ここでは、日ごとの利用量・モデル別の使用コストをグラフで確認できます。

課金上限を設定する

API利用の「上限金額」を設定しておくことで、想定外の課金を防げます。

設定手順:

  1. https://platform.openai.com/account/billing/limits
  2. 「Usage limits」で以下を設定
    • Soft limit:警告が出る金額
    • Hard limit:これ以上は請求されない上限金額

これで、1か月に設定金額を超えると自動的に停止します。

OpenAIの利用規約と倫理的な注意点

OpenAIのAPIは、非常に強力なツールです。

その分、使ってはいけない目的や禁止事項が明確に定められています。

以下は、OpenAI公式の利用規約(Terms of Use)やポリシーの内容を要約したポイントです。

分類内容
不正利用他人のAPIキー使用、アカウント共有、スクレイピングによる不正呼び出し
有害コンテンツ差別・暴力・ポルノ・スパム・虚偽情報の生成
個人情報名前・住所・クレジットカード情報などを含む内容の送信
法的リスク他人の著作物をコピー・転載するアプリへの組み込み

特に個人開発では、「APIを使って作った出力をそのままWebに載せる」場合に注意が必要です。

生成内容の責任は、あくまで開発者(あなた)にあります。

まとめ|ChatGPT APIを動かせるようになったあなたへ

ここまでお読みいただき、お疲れさまでした!

本記事では、Pythonの基礎を終えた学習者が「ChatGPT APIをPythonから使えるようになる」ことを目標に、環境構築からエラー対策、応用までを一通り学んできました。

AIを動かすコードは、最初の一行が一番難しい。でも、その一行を動かせたとき、世界が変わります。

もし今日、あなたの手でChatGPTがPythonの中で答えてくれたなら、それはもう立派な“AI開発者”の第一歩です。

これからも、少しずつコードを書いて、少しずつ「自分のAI」を育てていきましょう。

ChatGPT APIは、そのための最強の相棒です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. Python初心者でもChatGPT APIを使って大丈夫ですか?

A. まったく問題ありません。むしろ最適です。

ChatGPT APIは、Pythonの中でも最も扱いやすい外部サービスのひとつです。

わずか数行のコードでAIが動くため、複雑な理論やアルゴリズムを理解していなくても始められます。

必要なのは次の3つだけです:

  1. Pythonがインストールされている
  2. APIキーを取得している
  3. サンプルコードをコピペして動かせる

ChatGPT APIを通して「コードを書けばAIが動く」という成功体験を得ることで、Pythonの学習モチベーションも一気に上がります。

初心者こそ、「AIを動かすPython」を最初に触るのがオススメです。

Q2. ChatGPT APIとブラウザ版ChatGPTはどちらを使えば良いですか?

A. 目的によって使い分けましょう。

目的向いている使い方
日常的な質問・調べものブラウザ版(chat.openai.com)
業務や開発への組み込みChatGPT API(Pythonなど)
文章執筆・アイデア整理ブラウザ版
自動化・ツール開発API版

ブラウザ版ChatGPTは「人間が会話するツール」、API版は「プログラムが会話するツール」です。

たとえば、

  • ChatGPTにアイデアを相談する → ブラウザ版
  • ChatGPTに自動で文章を生成させる → API版

というように、目的で使い分けるのが最適です。

Q3. ChatGPT APIは無料でどこまで使えますか?

A. 現在(2025年時点)では、基本的に無料枠はありません。

以前(2023年頃)までは新規登録時に数ドル分のクレジットが付与されていましたが、2025年現在はクレジットカード登録後に従量課金で利用する形になっています。

ただし、実際の料金は非常に安価です。

  • gpt-4o-mini モデル → 約0.1円/1,000文字前後
  • 短文の会話なら1回0.01円未満

つまり、月に数十回試す程度なら数円〜数十円で済みます。

テスト・学習目的なら、課金を気にせず安心して使えます。

💡 ワンポイント
OpenAIの「Usage」ページ(https://platform.openai.com/usage)で利用量を常に確認できます。
不安な方は「Hard limit(上限額)」を設定しておくと安心です。

Q4. 学校や会社のPCでChatGPT APIを使っても問題ありませんか?

A. 原則として、使用ルールとセキュリティポリシーを確認してから使いましょう。

ChatGPT APIは外部サーバー(OpenAIのクラウド)にデータを送るため、学校や企業のネットワークポリシーによっては制限されている場合があります。

とくに以下の点に注意してください:

  • 🔒 業務データや個人情報を送信しないこと
    → 社外秘の情報をAPIに渡すのは厳禁です。
  • 🌐 社内ネットワークで通信がブロックされる場合がある
    → 「ProxyError」などが出た場合は管理者に相談しましょう。
  • 📘 学習目的で使う場合は、許可を取るのが安全
    → 「個人学習の範囲です」と伝えればOKなケースが多いです。

家庭用PCや自分のノートPCであれば、基本的に問題なく利用できます。

Q5. ChatGPT APIのコードはどれくらい古くなったら書き直すべきですか?

A. おおよそ「1年ごと」に見直すのが理想です。

ChatGPT APIは、OpenAIによって頻繁にアップデートされています。

APIエンドポイント・モデル名・ライブラリ構文が変わることもあるため、古いコードを放置すると動かなくなる可能性があります。

項目推奨見直し頻度理由
APIライブラリ(openai半年ごと構文の変更・非推奨化に対応
モデル指定(例:gpt-4o-mini1年ごと新モデル登場で最適化される
APIキー設定・認証方式不定期(通知が出たら)セキュリティ更新対応
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