Pythonの外部ライブラリおすすめ11選【2025年最新版】
Pythonはシンプルで読みやすい文法と豊富な機能で、多くのプログラマーやデータサイエンティストに愛用されています。
Pythonの最大の強みのひとつが、「外部ライブラリ」を自由に追加できる柔軟性です。
外部ライブラリとは、標準ライブラリ(Python本体に最初から含まれている機能)にはない追加機能や便利ツールを、簡単なコマンド一つでインストールして使える仕組みです。
これによりデータ分析やWebアプリ開発、機械学習、ゲーム開発、Excel操作など、あらゆる分野でPythonの活用の幅が一気に広がります。
しかし、「どの外部ライブラリを使えば良いのか分からない」「本当におすすめの人気ライブラリを知りたい」という声もよく聞かれます。
そこで本記事では、2025年最新版として、Python初心者から中級者まで幅広く役立つ定番の外部ライブラリを11個厳選してご紹介します。
各ライブラリの特徴や用途、インストール方法、簡単なサンプルコードもセットで解説するので、はじめての方でも安心してご活用いただけます。
外部ライブラリ選定基準と用途一覧
Pythonの外部ライブラリは数千以上存在しますが、すべてを把握する必要はありません。
まずは「多くの現場や学習で使われている」「初心者でも導入しやすい」「公式ドキュメントや日本語解説が豊富」などのポイントを基準に選ぶのがおすすめです。
この記事で紹介する11個のライブラリは、次のような選定基準でピックアップしています。
外部ライブラリ選定のポイント
- 学習・実務の両方で定番の人気ライブラリ
- 使い方がシンプルで導入がしやすい
- 用途が幅広く、多くの分野で役立つ
- 公式ドキュメントや解説記事が豊富
- 2025年時点でも広く利用されている最新版
用途一覧と対応ライブラリ
用途 | 主なライブラリ |
---|---|
データ解析 | pandas |
数値計算 | NumPy |
グラフ描画 | matplotlib |
Web API通信 | requests |
Webスクレイピング | BeautifulSoup |
画像処理 | Pillow |
Webアプリ開発 | Flask、Django |
機械学習 | scikit-learn |
テスト自動化 | Pytest |
ゲーム開発 | pygame |
Excel操作 | openpyxl |
Pythonの世界は「やりたいこと=使うべきライブラリ」がはっきりしているのが特徴です。
たとえば「データを分析したい」ならpandas、「Webアプリを作りたい」ならFlask、「ゲームを作ってみたい」ならpygame、というように、目的ごとに最適な外部ライブラリがあります。
Python外部ライブラリおすすめ11選
分野ごとにおすすめの外部ライブラリを具体的に紹介していきます。
pandas(データ解析)
pandas(パンダス)は、Pythonで「データ解析」といえば真っ先に挙がる定番ライブラリです。
表計算ソフト(ExcelやGoogleスプレッドシート)のような感覚で、データの読み込み、整形、加工、集計、可視化まで幅広くサポートしています。
公式ドキュメント:pandas公式ドキュメント
主な特徴
- CSVやExcelファイルの読み書きが簡単
- データの抽出・グループ化・並べ替え・フィルタなど多彩な操作が可能
- データ分析、機械学習、業務自動化まで幅広い分野で活用
インストール方法
ターミナル(またはコマンドプロンプト)で以下のコマンドを実行してください。
pip install pandas
シンプルなサンプルコード
import pandas as pd # CSVファイルの読み込み df = pd.read_csv('sample.csv') # データの先頭5行を表示 print(df.head())
NumPy(数値計算)
NumPy(ナンパイ)は、Pythonの配列(ndarray)を高速に計算・処理するための基礎ライブラリです。
pandasや機械学習ライブラリの「基盤」としても欠かせません。
公式ドキュメント:NumPy公式ドキュメント
主な特徴
- ベクトルや行列など「数値データ」を効率よく処理
- 数学的な関数や統計処理も豊富
- pandasやscikit-learnなど他のライブラリとも連携が簡単
インストール方法
ターミナル(またはコマンドプロンプト)で以下のコマンドを実行してください。
pip install numpy
シンプルなサンプルコード
import numpy as np # 配列の作成と平均値の計算 a = np.array([1, 2, 3, 4, 5]) print(a.mean()) # 3.0
matplotlib(グラフ描画)
matplotlib(マットプロットリブ)は、Pythonでグラフやチャートを描画したいときに定番の可視化ライブラリです。
折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフなど、さまざまなデータの見える化に活躍します。データ分析やレポート作成には欠かせません。
公式ドキュメント:matplotlib公式ドキュメント
主な特徴
- 幅広い種類のグラフを描画可能
- シンプルな記述で使い始めやすい
- pandasと組み合わせるとさらに便利
インストール方法
pip install matplotlib
シンプルなサンプルコード
import matplotlib.pyplot as plt # データの準備 x = [1, 2, 3, 4, 5] y = [10, 20, 15, 25, 30] # 折れ線グラフの描画 plt.plot(x, y) plt.show()
requests(Web API通信)
requests(リクエスツ)は、WebサイトやAPIと「HTTP通信(リクエスト)」を行うための超定番ライブラリです。
Webサービスとデータのやり取りをしたり、Webスクレイピングの基礎としてもよく使われます。
公式ドキュメント:requests公式ドキュメント
主な特徴
- シンプルな記述でHTTPリクエストが可能
- JSONデータのやり取りも簡単
- Web API連携・スクレイピングなど幅広く利用
インストール方法
pip install requests
シンプルなサンプルコード
import requests # サイトにGETリクエスト response = requests.get('https://api.github.com') print(response.status_code) print(response.json())
BeautifulSoup(Webスクレイピング)
BeautifulSoup(ビューティフルスープ)は、PythonでWebサイトから情報を抽出する「スクレイピング」に特化したライブラリです。
HTMLやXMLのデータから、タグやテキスト、リンクなどを簡単に抽出できるので、Webデータ収集の第一歩にぴったりです。
公式ドキュメント:BeautifulSoup公式ドキュメント
主な特徴
- HTMLやXMLデータを分かりやすく解析・抽出できる
- requestsやurllibと組み合わせて使うことが多い
- 初心者向けの解説やサンプルが豊富
インストール方法
pip install beautifulsoup4
シンプルなサンプルコード
from bs4 import BeautifulSoup html = "<html><body><h1>Hello</h1></body></html>" soup = BeautifulSoup(html, "html.parser") print(soup.h1.text) # 'Hello'と出力
Flask(Webアプリ開発)
Flask(フラスク)は、PythonでWebアプリやAPIを素早く開発できる軽量なWebフレームワークです。
「最小限のコードから始めて、必要に応じて機能を追加できる」ため、初心者や小規模なアプリ開発に人気です。
主な特徴
- シンプルな記述でWebアプリやAPIを作成可能
- 最低限の機能に絞られているので学びやすい
- 必要に応じて拡張が可能
インストール方法
pip install flask
シンプルなサンプルコード
from flask import Flask app = Flask(__name__) @app.route('/') def hello(): return "Hello, Flask!" if __name__ == '__main__': app.run()
scikit-learn(機械学習)
scikit-learn(サイキットラーン)は、Pythonで機械学習を始めたいときに最もよく使われるライブラリです。
分類、回帰、クラスタリング、前処理、モデル評価など、基本的な機械学習の機能が一通り揃っています。
難しい数式や理論を知らなくても、シンプルなコードで本格的な機械学習が体験できます。
公式ドキュメント:scikit-learn公式ドキュメント
主な特徴
- 豊富なアルゴリズム(分類・回帰・クラスタリング等)が標準搭載
- データの分割や前処理、モデルの評価まで簡単に実装可能
- 入門から応用まで幅広い用途に対応
インストール方法
pip install scikit-learn
シンプルなサンプルコード
from sklearn.datasets import load_iris from sklearn.model_selection import train_test_split from sklearn.tree import DecisionTreeClassifier # データセットの読み込み iris = load_iris() X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(iris.data, iris.target, test_size=0.2) # 決定木モデルの学習と評価 model = DecisionTreeClassifier() model.fit(X_train, y_train) score = model.score(X_test, y_test) print(f"正解率: {score:.2f}")
Pillow(画像処理)
Pillow(ピロー)は、Pythonで画像を扱うための代表的なライブラリです。
画像の開閉、リサイズ、切り抜き、フォーマット変換、文字入れなど、多彩な画像処理が手軽に行えます。
ブログ運営や画像編集ツール開発、Webサービスとの連携にも便利です。
公式ドキュメント:Pillow公式ドキュメント
主な特徴
- 画像の読み込み・保存・編集が簡単
- JPEG/PNG/GIFなど多くのフォーマットに対応
- 画像のリサイズ、トリミング、回転、フィルタ適用も手軽
インストール方法
pip install pillow
シンプルなサンプルコード
from PIL import Image # 画像の読み込みとリサイズ img = Image.open('sample.jpg') img_resized = img.resize((200, 200)) img_resized.save('resized.jpg')
pygame(ゲーム開発)
pygame(パイゲーム)は、Pythonで2Dゲームやインタラクティブなアプリを開発できるライブラリです。
ゲーム作りに必要な画像・音声の表示やイベント処理、アニメーションなどを直感的に扱えるため、「楽しくプログラミングを学びたい」方や子ども向けの教育にも人気です。
公式ドキュメント:pygame公式ドキュメント
主な特徴
- 2Dゲームの作成に必要な機能がひと通り揃っている
- サウンドやアニメーションも手軽に実装可能
- ゲームを通じてプログラミングの基礎や論理的思考も身につく
インストール方法
pip install pygame
シンプルなサンプルコード
import pygame pygame.init() screen = pygame.display.set_mode((400, 300)) pygame.display.set_caption("Hello pygame") running = True while running: for event in pygame.event.get(): if event.type == pygame.QUIT: running = False pygame.quit()
Pytest(テスト自動化)
Pytest(パイテスト)は、Pythonコードのテスト(ユニットテストや自動テスト)を効率的に行うためのライブラリです。
シンプルな記法でテストコードが書け、複雑なテストや自動化にも拡張できます。
コード品質を高めたい人や、実務での開発には欠かせない存在です。
公式ドキュメント:pytest公式ドキュメント
主な特徴
- テスト関数やアサーションが直感的に書ける
- 複数のテストファイルを自動で検出・実行
- 拡張プラグインも豊富
インストール方法
pip install pytest
シンプルなサンプルコード
# test_sample.py def func(x): return x + 1 def test_func(): assert func(3) == 4
openpyxl(Excel操作)
openpyxl(オープンパイエクセル)は、PythonでExcelファイル(特に.xlsx形式)を読み書き・編集できる人気ライブラリです。
データの自動集計やレポート作成、業務自動化、データ分析など、ビジネスシーンでも幅広く活用されています。
公式ドキュメント:openpyxl公式ドキュメント
主な特徴
- Excelファイルの新規作成、既存ファイルの読み込み・書き込みが可能
- シートの追加や削除、セルへの値入力、数式の設定、書式の変更も簡単
- 画像挿入やグラフ作成などの応用操作もサポート
インストール方法
pip install openpyxl
シンプルなサンプルコード
import openpyxl # 新しいExcelファイルの作成と保存 wb = openpyxl.Workbook() ws = wb.active ws['A1'] = 'Hello, Excel!' wb.save('sample.xlsx')
よくある質問(FAQ)
Pythonの外部ライブラリについて、学習者からよく寄せられる質問と、その回答をまとめました。
困ったときや迷ったときは、ぜひこのFAQも参考にしてください。
Q1. 外部ライブラリはどうやってインストールすればいいですか?
基本的には「pip」というPython標準のパッケージ管理ツールを使います。
コマンドプロンプトやターミナルで下記のように入力すればOKです。
pip install ライブラリ名
例えば、pandasをインストールしたい場合は pip install pandas
と入力します。
Q2. pipとcondaの違いは?
- pipはPythonのパッケージ(ライブラリ)の標準的なインストールツールです。
- condaはAnacondaというPythonディストリビューションに付属しているツールで、パッケージだけでなく仮想環境や依存関係の管理も得意です。
一般的な学習用途や小規模開発ではpipで十分ですが、データサイエンスや複数の環境を使い分けたい場合はcondaの活用もおすすめです。
Q3. ライブラリのバージョンを確認したい場合は?
インストール済みライブラリのバージョン確認には、次のコマンドが使えます。
pip show ライブラリ名
例:pip show numpy
または、Python内で直接確認する場合は下記のように書きます。
import numpy print(numpy.__version__)
Q4. インストール時にエラーが出た場合は?
- Pythonやpipのバージョンを確認しましょう。
- すでにインストール済みの場合は
pip install --upgrade ライブラリ名
で最新版にできます。 - 依存関係の問題や権限エラーは、管理者権限や仮想環境の利用で解決することもあります。
それでも解決しない場合は、エラーメッセージをGoogle検索したり、公式ドキュメントやQ&Aサイト(Stack Overflowなど)で調べてみてください。
Q5. もっと詳しく学びたい場合、どうすればいい?
- まずは公式ドキュメントやチュートリアルを読むのがおすすめです。
- サイト内の各ライブラリ解説記事や、分かりやすい書籍、YouTube動画も有効活用しましょう。
- 実際に手を動かしてみることで理解が深まります。
まとめ・次のステップ
Pythonの外部ライブラリは、標準機能だけでは実現できない便利な機能や効率的な開発環境を提供してくれます。
この記事で紹介した11個の定番ライブラリを活用すれば、データ分析・Web開発・機械学習・画像処理・ゲーム制作・業務自動化など、幅広い分野で「やりたいこと」が実現しやすくなります。
まずは興味のある分野や、必要だと感じたライブラリから気軽にチャレンジしてみてください。
サンプルコードを実際に動かしてみることで、理解がぐっと深まります。