【Dify】定型文が崩れる原因|敬語・トーン・禁止表現のガード設計

ながみえ

生成AIで文章アプリを作っていると、「テンプレは用意したのに、出力が微妙にズレる」という壁にぶつかりがちです。

たとえば、あるときは丁寧なのに別のときは急にくだけたり、入れないでほしい表現が混ざったり。

ここまで学習を進めてきた方なら、一度は見覚えがあるはずです。

ここで大事なのは、「モデルが賢くないから仕方ない」と片づけないことです。

多くの場合、原因はモデルそのものよりも、こちらが与える指示の設計(ガード設計)にあります。

敬語やトーン、禁止表現の扱いを“仕様”として固めておくと、定型文は驚くほど安定します。

そこで今回は、Difyで文章生成アプリを作るときに定型文が崩れる典型パターンを整理し、どこにガードを置けばブレが減るのかを短く実務目線でまとめます。

難しい理論より、「次のプロンプト改善で即使える」ポイントに絞って解説しますので、ぜひ最後まで読んでください。

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定型文が崩れる原因3パターン(制約/禁止/型)

定型文が崩れるとき、出力をよく観察すると “崩れ方” には癖があります。

いきなり複雑な対策に走るより、まずはどのパターンに当てはまるかを見極めると、修正が早くなります。

よくあるのは、次の3つです。

パターン
目的は書いてあるのに、「絶対に守る制約」が弱い「丁寧に案内して」はあるが、「です・ます固定」「語尾の統一」「一人称」「相手の呼び方」などが明文化されていない状態です。
モデルは“丁寧”を色々な丁寧さで解釈できるので、日によって(入力によって)違う丁寧さが出ます。
禁止表現が「お願い」になっている「〜という表現は避けてください」だけだと、モデルは“できれば避ける”くらいの優先度で受け取ることがあります。
特に入力内容が強めだったり、要約で文が圧縮されたりすると、禁止がすり抜けやすくなります。
出力の自由度が高すぎて、勝手に“気を利かせる”こちらはメール文だけ欲しいのに、前置きの解説を足す/箇条書きにする/結論を強めるなど。
モデルは親切なので、型が指定されていないと、読みやすさを優先して構成を変えにいきます。

この3つは別々の問題に見えて、実は共通点があります。

どれも「指示の優先順位」と「守るべきルールの固定」が弱いことが原因です。

つまり、定型文を安定させるコツは、プロンプトを “お願い文” ではなく “仕様書” へ寄せること。

そして、敬語・トーン・禁止表現を「守られなくても仕方ない条件」ではなく、「破ったら失敗」と扱える形にしていくことです。

プロンプトを“仕様書”にする:ガード設計の基本

定型文を安定させる一番効く考え方は、「プロンプト=お願い文」ではなく「プロンプト=仕様書」として扱うことです。

つまり、モデルに“いい感じに”解釈させる余地を減らして、「この条件を満たさない出力は不正解」という前提に寄せていきます。

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仕様に入れる最小セット

全部を完璧に書こうとすると長くなり、逆に守られなくなることがあります。

まずは「ブレたら困る部分」だけを最小セットで固定するのがコツです。たとえば、次の要素から始めると失敗しにくいです。

口調・敬語の固定「です・ます」固定、丁寧語のレベル、語尾の統一など。
ここが曖昧だと、同じアプリでも出力の印象が日替わりになります。
禁止・必須ルール「使ってはいけない表現」「必ず入れる要素(結論、期限、依頼文など)」を明確にします。
禁止だけでなく“代わりにこう言う”もセットにすると強いです。
出力の型段落構成、見出しの有無、箇条書きの可否、文字数の目安など。
型が自由だと、モデルが親切心で勝手に構成を変えてきます。
例(短くてOK)良い例・悪い例を1つずつ入れるだけでもブレが減ります。
特に禁止表現やトーンは、例があると安定しやすいです。

ここで大事なのは、「全部盛り」にしないことです。

最小セットで固定して、崩れたときに1項目ずつ足すほうが、結果的に最短で安定します。

仕様を書きやすくするコツ

仕様化の文章は、テクニックというより“書き方の型”で決まります。

ポイントは次の2つです。

優先順位を文面で分かるようにする「〜してください」より、「必ず〜する」「〜してはいけない」「違反したら出力し直す」など、強い言い切りを使います。
チェックしやすい言葉にする「丁寧に」より「です・ますで統一」「絵文字を使わない」「一人称は私」みたいに、○×判定できる表現に寄せるほど安定します。

たとえば、雰囲気はこんなイメージです(短いままで十分効きます)。

# 出力ルール:
- 文体は「です・ます」で統一し、語尾は丁寧語にする
- 絵文字・くだけた言い回し(例:〜っす、マジで)は使わない
- 次の語を含めない:〇〇、△△
- 文字数は350〜500字程度
- ルールに違反していたら、修正してから出力する

この「仕様の核」を先に固めておくと、次にやるべきこと(禁止表現の扱いを強くする/型を固定する/セルフチェックさせる)がスムーズになります。

【コピペ可】敬語・トーンを固定するプロンプトテンプレ

敬語やトーンのブレは、「丁寧に書いて」といった“ふわっとした指示”が原因で起きがちです。

ここでは、Difyのプロンプトにそのまま入れて使えるように、トーン固定を「チェック可能な仕様」に落とす書き方をまとめます。

ポイントは、文章の雰囲気を説明するのではなく、機械的に守れるルール(○×判定できる条件)に変換することです。

テンプレは「宣言→具体ルール→例」の順で書く

最初に“この出力はこういう文章である”と宣言してから、細かいルールで縛り、最後に例で補強すると安定します。

たとえば、テンプレは次の形が扱いやすいです。

あなたは業務向け文章の作成アシスタントです。出力は必ず次の文体・トーン規約に従ってください。

# 文体・トーン規約(必須)
- 文体:「です・ます」で統一する(「だ・である」禁止)
- 口調:丁寧で落ち着いたトーン。馴れ馴れしい表現は禁止
- 一人称:「私」/二人称(相手):状況に応じて「お客様」または「○○様」
- 句読点:日本語の「、」「。」を使う
- 余計な前置き禁止:本文以外の解説(例:「以下が回答です」)を出さない

# 短い例
- 良い例:お手数をおかけしますが、資料をご確認いただけますでしょうか。
- 悪い例:ちょっと見といて!/以下、回答です。〜

この形だと、モデルが「丁寧=色々な丁寧さ」と解釈する余地が減り、語尾や雰囲気が安定しやすくなります。

ユーザー入力に引っ張られない“追従禁止”の1文

アプリ利用者の入力がフランクだったり強めだったりすると、出力もそれに寄ってしまうことがあります。

これを避けたい場合は、ルールに“追従禁止”を1行だけ足すのが効きます。

たとえば、次のような一文です。

ユーザー入力の口調がくだけていても、出力の文体・トーン規約は常に維持する。

これだけで、「ユーザーがタメ口→出力もタメ口」みたいな事故が減ります。

まとめ:定型文を安定させる3つのポイント

定型文が崩れるときは、モデルの性能よりも「こちらの指示が“仕様”になっているかどうか」で差が出ます。

アプリを安定させるには、まずは曖昧なお願いをやめて、守るべき条件をチェック可能な形に落としていくのが近道です。

今回のポイントを最後に整理すると、次の3点です。

  • 崩れの原因は「制約が弱い」「解釈の余地が大きい」「型が自由すぎる」のどれかに集約されやすい
  • ガード設計は、最初から全部盛りにせず「最小セット(文体・ルール・型・短い例)」から仕様化する
  • 敬語やトーンは雰囲気ではなく、「です・ます固定」「余計な前置き禁止」など○×で判定できるルールとして書くとブレが減る

この状態を作っておくと、今後色々なアプリを作っていく中で、毎回の手戻りがぐっと減ります。

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