Flask学習|エラーハンドリングの基本を学ぼう【チャプター6-02】
一つ前のページではFlaskでよくあるエラー集と対処法について学習しました。
今回は エラーハンドリングの基本 について見ていきましょう。
Chapter1:Flask入門編
Chapter2:Jinja2入門編
Chapter3:フィルター編
Chapter4:フォーム編
Chapter5:データベース編
Chapter6:エラーハンドリングとデバッグ編
・Chapter6-1:Flaskでよくあるエラー集と対処法
・Chapter6-2:エラーハンドリングの基本 ◁今回はここ
・Chapter6-3:カスタムエラーページを作ろう
・Chapter6-4:ログを出力してデバッグしよう
・Chapter6-5:デバッグモードを活用しよう
・Chapter6-6:Flask-DebugToolbarを使おう
Chapter7:アプリ開発編
Webアプリを開発していると、予期せぬエラーに遭遇することは避けられません。
エラーを適切に処理し、ユーザーに分かりやすく伝える仕組みは、アプリの品質と信頼性を大きく左右します。
この記事では、Flaskでの開発時に役立つ エラーハンドリングの基本 について学びます。
- Flaskでエラーハンドリングが必要な理由
- Pythonの
try / except
構文(概要のみ) - Flaskの
abort()
関数の使い方 app.errorhandler()
を使ったエラー処理のカスタマイズ
本記事は 有料記事(100円)ですが、現在は期間限定で無料公開中です。
Flaskのエラーハンドリングとは?初心者向けに概要を解説
Flaskアプリケーションでは、ユーザーからの入力が不適切だったり、ファイルが見つからなかったりする場面でエラーが発生します。
こうしたエラーをそのまま放置するとアプリがクラッシュしたり、ユーザーに意味のわからないエラーメッセージが表示されてしまいます。
エラーの種類に応じた適切な対応を実装することで、アプリの安定性とユーザー体験を大幅に向上させることができます。
【復習】Pythonのtry/except構文とは?
Flaskに限らず、Pythonではエラーが起きそうな処理を「try
」ブロックに書き、問題が発生した場合の処理を「except
」ブロックに書くことができます。
基本構文は以下の通りです。
try: # エラーが起きそうな処理 except エラーの種類: # エラーが起きた時の処理
この構文により、プログラムを止めずにエラーへ柔軟に対応することが可能です。
Flaskでも内部的にはこの構文が利用されており、後述するabort()
やerrorhandler()
と連携して活用できます。
Pythonの例外処理について詳しく復習したい方は↓↓の記事を参考にしてください。
abort()関数を使ってHTTPエラーを返す方法
Flaskでは、HTTPリクエストに対してエラーを返したいときに abort()
関数 を使います。
例えば、ある条件を満たさない場合にリクエストを打ち切って「404 Not Found」や「403 Forbidden」などを返すといった用途です。
abort関数の書き方と使用例
基本構文は以下の通りです。
from flask import abort abort(ステータスコード)
使用例は以下の通りです。
from flask import Flask, abort app = Flask(__name__) @app.route('/admin') # もしこのURLにアクセスされたら(ルーティング) def admin(): user_is_admin = False # 仮の条件 if not user_is_admin: abort(403) # アクセス拒否 return '管理者ページへようこそ'
よく使うHTTPステータスコード一覧
ステータスコード | 意味 |
---|---|
400 | Bad Request(不正なリクエスト) |
403 | Forbidden(禁止されたアクセス) |
404 | Not Found(ページが見つからない) |
500 | Internal Server Error(サーバー内部エラー) |
app.errorhandler()でカスタムエラーメッセージを作ろう
特定のエラーが発生した際に、ユーザーに分かりやすい応答を返すための方法として、@app.errorhandler()
デコレータ を用いたエラーハンドラの登録が可能です。
デコレーターについて復習したい方は↓↓の記事を参考にしてください。
errorhandlerの定義方法と実装例
基本構文は以下の通りです。
@app.errorhandler(ステータスコード) def ハンドラ関数名(error): return 'メッセージやテンプレートなど'
404エラー時にカスタムメッセージを返す例は以下の通りです。
from flask import Flask app = Flask(__name__) @app.errorhandler(404) def page_not_found(error): return 'お探しのページは見つかりませんでした。', 404
このようにすることで、標準的なエラーページではなく、オリジナルのエラー応答を返すことができます。
テンプレートを使えば、視覚的にわかりやすいページを作ることもできます(詳細は次章で扱います)。
まとめ|Flaskの基本エラーハンドリング手法を振り返ろう
この記事では、Flaskにおける基本的なエラーハンドリング手法を学びました。
- エラーハンドリングはアプリの信頼性を高める重要な技術
try / except
構文でエラー処理の基本を押さえるabort()
でHTTPエラーを明示的に返すapp.errorhandler()
で特定のエラーに応じた処理を定義する
エラー処理を制御できるようになると、アプリの完成度が一段とアップします。
次は、よりユーザーフレンドリーな「カスタムエラーページ」の作成にチャレンジしてみましょう!
FAQ|Flaskの基本的なエラーハンドリングについて
- Q1. Flaskでabort関数を使うときは、どんなタイミングが適切ですか?
-
ユーザーが許可されていないページにアクセスした場合など、明示的に処理を中断してHTTPエラーを返したいときに使います。バリデーションや認証処理と組み合わせるのが一般的です。
- Q2. errorhandlerで定義した関数は、全てのエラーに自動で対応してくれますか?
-
いいえ。
@app.errorhandler(404)
のようにステータスコードを指定する必要があります。指定したコードのエラーが発生したときのみ、その関数が呼び出されます。
- Q3. Flaskの開発中に予期しないエラーが出た場合、どう対処すればよいですか?
-
まずは
try/except
構文で処理を囲んでエラー内容を確認しましょう。Flaskのデバッグモードをオンにすることで、詳細なエラーメッセージも表示されますが、本番環境では無効化が推奨されます。