DifyのWorkflowとChatflowの違い|どっちを選ぶ?初心者向けに解説

Difyで生成AIアプリを作るとき、初心者が迷いやすいのが「WorkflowとChatflowのどちらを選ぶか」です。
どちらもノードをつないで処理を組み立てる点は共通していますが、作るアプリの画面や使い方、処理の進み方には違いがあります。選び方を間違えると、作成途中で「想定していた動きと違う」と気づき、最初から作り直すことにもなりかねません。
先に結論をお伝えすると、
ユーザーとの会話を続けながら回答を組み立てたい場合はChatflow、
会話を前提とせず、入力された内容に対して一連の処理を実行したい場合はWorkflowが基本です。
ただし、実際には「チャット画面を使いたいか」「前の会話を引き継ぐ必要があるか」「決まった処理を繰り返したいか」など、いくつかの条件を確認して選ぶ必要があります。
この記事では、WorkflowとChatflowの違いを比較表で整理したうえで、それぞれに向いている用途と、初心者が迷ったときの判断基準を解説します。
読み終わるころには、自分が作りたいアプリにWorkflowとChatflowのどちらが適しているか判断できるようになります。

まず結論|会話を続けたいならChatflow、処理を流したいならWorkflow
WorkflowとChatflowのどちらを選ぶか迷ったら、最初に「ユーザーとの会話を続ける必要があるか」を確認しましょう。
質問と回答を繰り返しながら案内するアプリを作りたい場合は、Chatflowが向いています。
一方、入力された内容を受け取り、決めた順番で処理して結果を返すアプリを作りたい場合は、Workflowが基本です。
どちらもノードをつないで処理を組み立てますが、ユーザーの使い方とアプリの実行単位に違いがあります。
| 比較項目 | Chatflow | Workflow |
|---|---|---|
| 主な目的 | 会話を続けながら回答する | 一連の処理を実行して結果を返す |
| ユーザー画面 | チャット形式 | 入力フォーム・実行結果形式 |
| 会話の継続 | 前のやり取りを踏まえて会話を続けやすい | 基本的に1回の実行単位で処理する |
| 設計の中心 | 会話の流れと回答の組み立て | 入力から出力までの処理手順 |
| 向いている入力 | 質問、相談、追加質問 | 文章、ファイル、定型フォーム |
| 代表的な用途 | FAQ、問い合わせ対応、学習支援、ヒアリング | 要約、分類、翻訳、データ整形、定型処理 |
| 初心者の判断基準 | やり取りを続けたいか | 決めた処理を安定して実行したいか |
たとえば、ユーザーが最初の回答を見たあとに「もう少し詳しく教えてください」「別の条件でも調べてください」と続けて質問するアプリなら、Chatflowが適しています。
反対に、文章を入力すると、内容を分類して要約し、決められた形式に整えて返すアプリなら、Workflowが適しています。
判断するときは、次のように考えると分かりやすくなります。
- 会話そのものに価値がある場合はChatflow
- 処理の流れと結果に価値がある場合はWorkflow
ただし、どちらも条件分岐、LLM、ナレッジ、外部ツールなどを組み合わせられます。
「使える機能」だけで選ぶのではなく、完成したアプリをユーザーがどのように使うかで判断することが大切です。
WorkflowとChatflowの違いを3つで比較
前章では、Chatflowは会話型、Workflowは処理実行型と説明しました。
ここからは、両者の違いを「得意な用途」「ユーザー体験」「設計の考え方」の3つに分けて、もう少し具体的に確認します。
同じようなアプリでも、利用者にどのように使ってもらうかによって、適したアプリタイプが変わる点が重要です。
1. 得意な用途の違い
Chatflowは、ユーザーとのやり取りを続けながら、状況に合った回答を組み立てる用途に向いています。
たとえば、次のようなアプリです。
- 質問内容に応じて回答を変えるFAQアプリ
- 必要な情報を順番に聞き取るヒアリングアプリ
- 追加質問に対応する学習サポートアプリ
- 会話しながら商品やサービスを案内するアプリ
これらのアプリでは、最初の質問だけで処理が完了するとは限りません。前の回答を踏まえて質問を続けられることが、利用者にとっての価値になります。
一方、Workflowは、入力された内容に対して決められた処理を実行し、結果を返す用途に向いています。
たとえば、次のようなアプリです。
- 長い文章を要約するアプリ
- 問い合わせ内容をカテゴリ別に分類するアプリ
- 入力された文章を指定の形式に整えるアプリ
- ファイルから必要な情報を抽出するアプリ
- 複数の処理を順番に実行する業務支援アプリ
Workflowでは、会話を続けることよりも、同じ入力条件に対して、決めた流れで処理を実行できることが重要です。
したがって、質問や相談への対応が中心ならChatflow、要約・分類・変換などの処理が中心ならWorkflowと考えると選びやすくなります。
2. ユーザー体験の違い
ChatflowとWorkflowでは、完成したアプリを使う人の操作方法も異なります。
Chatflowはチャット形式で利用します。ユーザーがメッセージを送り、回答を確認したあと、同じ画面で追加の質問を続けられます。
たとえば、最初に「返品方法を教えてください」と質問し、回答を確認したあとに「開封済みでも返品できますか」と続けて質問する使い方です。
このように、前のやり取りを踏まえて会話を続けたい場合は、Chatflowが適しています。
Workflowは、必要な情報を入力して実行し、その結果を受け取る使い方が基本です。
たとえば、問い合わせ文を入力して実行すると、次の結果をまとめて返すアプリが考えられます。
- 問い合わせのカテゴリ
- 対応優先度
- 返信文の下書き
- 担当者が確認すべき注意点
この場合、利用者が求めているのは会話ではなく、入力した内容を決められた手順で処理した結果です。
同じ「問い合わせ対応アプリ」でも、会話しながら案内するならChatflow、問い合わせ文を分類して返信案を作るならWorkflowというように、ユーザー体験によって選択が変わります。
3. 設計の考え方の違い
Chatflowでは、ユーザーとの会話がどのように進むかを考えて設計します。
具体的には、次のような点を決めます。
- 最初にどのような質問を受け取るか
- 情報が足りない場合に何を聞き返すか
- 前の会話内容をどのように回答へ反映するか
- どの条件で別の案内へ分岐させるか
- 最後にどのような回答を返すか
つまり、Chatflowでは「利用者とのやり取りをどのように続けるか」が設計の中心です。
Workflowでは、入力された情報をどのような順番で処理するかを考えて設計します。
具体的には、次のような点を決めます。
- 最初にどの情報を入力してもらうか
- 入力内容をどのように確認・整理するか
- どの条件で処理を分岐させるか
- LLMや外部ツールをどの順番で使用するか
- 最終結果をどの形式で出力するか
つまり、Workflowでは「入力から出力までの処理をどのように流すか」が設計の中心です。
迷った場合は、完成したアプリを想像してみましょう。
利用者が結果を見たあとも同じ画面で質問を続けるならChatflow、必要な情報を入力して実行ボタンを押し、処理結果を受け取るならWorkflowが適しています。

Chatflowが向いているケース
Chatflowが向いているのは、ユーザーとの会話を続けながら、状況に合った回答を組み立てたいケースです。
最初の質問だけでは必要な情報がそろわず、追加の質問や確認を重ねることで、適切な回答へ近づけていくアプリに適しています。
代表的な用途は次のとおりです。
| 用途 | Chatflowが向いている理由 |
|---|---|
| 問い合わせ対応 | 前の質問や回答を踏まえて追加案内できる |
| ヒアリング | 必要な情報を会話形式で順番に集められる |
| 学習サポート | 理解度に合わせて説明や例を変えられる |
| 商品・サービス案内 | 条件を聞きながら適した選択肢を提案できる |
| 社内FAQ | 最初の質問で解決しない場合も追加質問に対応できる |
たとえば、問い合わせ対応アプリでは、ユーザーが最初から必要な情報をすべて入力してくれるとは限りません。
「ログインできません」という質問だけでは、パスワードを忘れたのか、エラーが表示されるのか、アカウントが停止されているのか判断できない場合があります。
Chatflowなら、最初の質問に回答するだけでなく、「どのようなエラーが表示されていますか」「パスワードの再設定は試しましたか」と会話を続けながら、状況を確認できます。
ヒアリング型のアプリにもChatflowが向いています。
たとえば、業務改善の相談を受けるアプリなら、最初に困っている業務を聞き、その回答に応じて「現在はどのような手順で対応していますか」「月に何件くらい発生しますか」と質問を重ねられます。
このように、ユーザーの回答によって次の質問や案内を変えたい場合は、Chatflowの強みを活かせます。
Chatflowを選ぶか迷ったときは、次の項目を確認してください。
- ユーザーが追加の質問をする可能性がある
- 最初の入力だけでは必要な情報がそろわない
- 前の会話内容を次の回答に反映したい
- 質問を重ねながら条件を整理したい
- チャット形式で使うこと自体に価値がある
複数の項目に当てはまる場合は、Chatflowを選ぶとよいでしょう。
反対に、毎回ほぼ同じ情報を入力し、決められた手順で結果を返すだけなら、ChatflowよりWorkflowの方が適している可能性があります。
Workflowが向いているケース
Workflowが向いているのは、入力された情報に対して、あらかじめ決めた手順で処理を実行し、結果を返したいケースです。
ユーザーとの会話を続けることよりも、処理の順番、条件分岐、出力形式を安定させることが重要なアプリに適しています。
代表的な用途は次のとおりです。
| 用途 | Workflowが向いている理由 |
|---|---|
| 文章の要約 | 入力された文章を決めた手順で要約できる |
| 問い合わせの分類 | 内容を判定してカテゴリや担当部署を決められる |
| 返信文の作成 | 入力内容を整理して指定形式の返信案を作れる |
| ファイル処理 | ファイルから必要な情報を抽出して加工できる |
| データ整形 | 入力内容を表や決められた形式に変換できる |
| 複数段階の処理 | 分類、生成、確認、整形などを順番に実行できる |
たとえば、問い合わせメールを処理するアプリを考えてみましょう。
入力されたメールに対して、次の処理を順番に実行する場合はWorkflowが向いています。
- 問い合わせ内容を読み取る
- 問い合わせの種類を分類する
- 対応の優先度を判定する
- 返信文の下書きを作る
- 担当者が確認すべき注意点を整理する
- 決められた形式で結果を表示する
このアプリで利用者が求めているのは、AIとの会話ではありません。
問い合わせ文を入力すると、毎回同じ手順で必要な情報が整理され、対応に使える結果が返ってくることに価値があります。
文章の要約やファイル処理でも同じです。
たとえば、会議資料を入力すると、重要事項、決定事項、担当者、期限を抽出し、指定した形式でまとめるアプリなら、処理の流れを明確に設計できるWorkflowが適しています。
Workflowを選ぶか迷ったときは、次の項目を確認してください。
- 入力から出力までの処理手順を明確に決められる
- 毎回ほぼ同じ流れで処理したい
- 会話を続ける必要がない
- 分類、要約、変換など複数の処理を順番に実行したい
- 出力する項目や形式をそろえたい
- 処理の安定性や再現性を重視したい
複数の項目に当てはまる場合は、Workflowを選ぶとよいでしょう。
反対に、ユーザーの回答を確認しながら次の質問を変えたり、前の会話を踏まえて案内を続けたりする必要がある場合は、Chatflowの方が適しています。
迷ったときの選び方|初心者向け3つの判断基準
ここまでの説明を読んでも、WorkflowとChatflowのどちらを選ぶべきか迷うことがあるかもしれません。
その場合は、使える機能の数ではなく、次の3つを順番に確認してください。
- 会話を続ける必要があるか
- 処理手順を固定したいか
- 利用者にどのような画面で使ってほしいか
この3つを確認すると、自分が作りたいアプリに適した方を判断しやすくなります。
会話の継続が必要か
最初に確認するのは、ユーザーが同じ画面で会話を続ける必要があるかどうかです。
最初の回答を見たユーザーが、次のような追加質問をする可能性がある場合は、Chatflowが向いています。
- もう少し詳しく説明してほしい
- 別の条件でも調べてほしい
- 自分の場合はどうなるか知りたい
- 回答内容について追加で確認したい
- 不足している情報を質問してほしい
たとえば、問い合わせ対応、学習サポート、商品案内、ヒアリングなどは、最初の質問だけで完結しないことがあります。
前のやり取りを踏まえて回答を続ける必要があるなら、Chatflowを選びましょう。
反対に、入力された内容を1回処理して結果を返せば完了する場合は、次の判断基準へ進みます。
やりたいことが定型処理か
次に確認するのは、入力から出力までの処理手順をあらかじめ決められるかどうかです。
次のように処理の順番を説明できる場合は、Workflowが向いています。
- 文章を受け取る
- 内容を分類する
- 必要な情報を抽出する
- LLMで文章を生成する
- 指定した形式に整える
- 処理結果を表示する
たとえば、「問い合わせ文を入力すると、カテゴリ、優先度、返信案を出力する」というアプリなら、処理の流れを明確に決められます。
このようなアプリでは、会話を続けることよりも、毎回同じ手順で安定して処理できることが重要です。そのため、Workflowが適しています。
一方、ユーザーの回答によって次に聞く内容を変えたい場合は、Chatflowを選ぶ方が自然です。
利用者にどのような画面で使ってほしいか
最後に、完成したアプリを利用者がどのように操作するかを想像してください。
チャット画面で質問を送り、回答を見ながらやり取りを続けてほしい場合は、Chatflowが向いています。
一方、入力フォームに必要な情報を入力し、実行ボタンを押して結果を受け取ってほしい場合は、Workflowが向いています。
同じ目的のアプリでも、利用方法によって選択が変わります。
たとえば、問い合わせ対応を効率化する場合でも、次のように分けられます。
| 作りたいアプリ | 適したタイプ |
|---|---|
| ユーザーと会話しながら問題を確認する | Chatflow |
| 問い合わせ文を分類して返信案を作る | Workflow |
| 条件を聞きながら商品を提案する | Chatflow |
| 入力条件から提案文を一括生成する | Workflow |
最終的には、次のように判断してください。
- 会話を続けることが中心ならChatflow
- 決められた処理を実行することが中心ならWorkflow
- チャット形式で使わせたいならChatflow
- 入力して結果を受け取る形ならWorkflow
どちらもさまざまなノードや機能を利用できます。機能の多さだけで判断せず、利用者が完成したアプリをどのように使うかを基準に選びましょう。
まとめ|会話を続けるならChatflow、処理を実行するならWorkflow
DifyのWorkflowとChatflowは、どちらもノードをつないで生成AIアプリを作る機能ですが、完成したアプリの使い方が異なります。
Chatflowが向いているのは、ユーザーとの会話を続けながら、質問や回答を重ねて案内するアプリです。
一方、Workflowが向いているのは、入力された内容に対して、あらかじめ決めた手順で処理を実行し、結果を返すアプリです。
迷ったときは、次の基準で判断してください。
- 会話を続けながら回答したい:Chatflow
- 前のやり取りを次の回答に反映したい:Chatflow
- 入力から出力までの処理手順を固定したい:Workflow
- 分類、要約、変換などを順番に実行したい:Workflow
- チャット画面で利用してほしい:Chatflow
- 入力フォームから実行してほしい:Workflow
どちらの方が優れているということではありません。
重要なのは、使える機能の数ではなく、完成したアプリを利用者にどのように使ってほしいかを考えて選ぶことです。
最初から複雑なアプリを作ろうとせず、まずは入力と出力が分かりやすい小さなアプリで試してみましょう。実際に動かしてみると、ChatflowとWorkflowの違いをより具体的に理解できるようになります。

